パラレルストーリー 15話(早坂剛志)
今年他部署からきた加藤が部長になった。
今まで部長や課長へアピールしていた早坂にとっては、また一から成果を見せなければならない。
なんてことだ。
出世することしか考えていない早坂にとって、この人事は最悪だった。
さらに加藤は顧客利益第一。社会貢献のできるシステムを目指すと、どこかの誰かと同じことを言ってやがる。
早坂の出世街道のすぐ後ろに津田の足音が聞こえてきていた。
それから1年後の2月、昇進を決める時期がやってきた。
早坂は津田が主任になるという噂を聞いていた。
津田の上にいなければアイツを使って成果を出せなくなる。
早坂は学生時代の後輩に電話をかけた。
アイツには貸しがある。必ず協力するはずだ。
使えるヤツはとことん使う。それが早坂の哲学であった。