フェネック通信

お金を増やすための方法を書くブログ。

小説

パラレルストーリー 23話 (最終章)

さて、ここまで読んでくださり本当にありがとうございます。 タイトルの「パラレルストーリー」は何人もの主人公たちがそれぞれの物語を進めることで、主人公「津田新一」を表現することを目的としました。 みなさんが想像した「津田新一」はどんな人だった…

パラレルストーリー 22話(南美穂)

早坂と結婚した美穂は退屈な日々を過ごしていた。 元々男が好きな美穂は、彼氏と別れてフリーの香織を誘って合コンをすることにした。 相手はこないだバーで知り合った明るい彼。 ちょっとした火遊びのつもりだった。 けれど、明るい彼ととても盛り上がり、…

パラレルストーリー 21話(永山祐)

香織と別れてから1年が過ぎたが、永山は諦めきれなかった。 ある日、知らない男と並んで歩いている香織を見かけた。とても楽しそうだった。 よく見ると手を繋いでいた。 この知らない男が津田新一である。 永山は自然と後をつけていた。 彼女は男と別れ、家…

パラレルストーリー 20話(南美穂)

社会人になった彼女は、大学生の時よりもさらに派手になっていった。 週に5日は夜の街へ出掛け、遊んでいた。 彼氏はいたが、さらにいい男を見つけるために、男に目を光らせていた。 彼女が4歳の時、父親は母と私を捨て、外で出会った女とどこかへ蒸発してし…

パラレルストーリー 19話(永山祐)

永山は香織と幸せな時間を過ごしていた。 そんなある日、永山が香織と歩いていると一人の女性が近づいてきた。 舘内聖歌(たてうちせいか)だ。 永山が学生時代に付き合っていた多くの女性の内の一人だ。 結局、永山の浮気で別れた。 永山のことを今でも恨ん…

パラレルストーリー 18話(早坂剛志)

そろそろ連絡がある頃だ。 早坂は後輩からの連絡を待っていた。 しばらく待つとメールがきた。 先輩、うまくいきました。 写真を送ります。 早坂はニヤついた顔で写真を開く。 そこには加藤部長と若い女性が手を繋いで写っていた。 よし。 早坂は後輩にメー…

パラレルストーリー 17話(伊藤香織)

栗山と会ってから、香織はずっと悩んでいた。 新一からの電話にも出れなかった。 どう向き合えばいいのか分からなかったのだ。 1週間が経った。 見知らぬ番号からの着信だ。 いつもなら知らない番号には出ないのだが、落ち込んでいる香織はうっかり電話に出…

パラレルストーリー 16話(永山祐)

初めて人を好きになってから1年、何もきっかけがつかめず、彼女との関係は進展していなかった。 本当に人を好きになるとなかなか行動が起こせないものだということを永山は初めて知った。 永山は学生時代の先輩に連絡を取り、4人で食事をする計画を練ってい…

パラレルストーリー 15話(早坂剛志)

今年他部署からきた加藤が部長になった。 今まで部長や課長へアピールしていた早坂にとっては、また一から成果を見せなければならない。 なんてことだ。 出世することしか考えていない早坂にとって、この人事は最悪だった。 さらに加藤は顧客利益第一。社会…

パラレルストーリー 14話(伊藤香織)

またこの通りに来てしまった。 ひと月前、コーヒーショップで新一を見てから、香織はよくこの通りに来てしまう。 かといって、仮に新一を見つけても聞くことはできないことは分かっていた。 あの女性は誰だったのだろう。 考えていると、交差点の反対側にこ…

パラレルストーリー 13話(永山祐)

学生のころから女には困ったことがない。 永山祐(ながやまゆう)は、気に入った女は必ず落としてきた。 この化粧品会社に入社したのも、キレイな女が多かったことが理由だった。 つい1ヶ月前にも同じ部署の女と付き合い始めた。 今日は新入社員の歓迎会だ。…

パラレルストーリー 12話(早坂剛志)

入社して15年、システムエンジニアという仕事が自分には向いていないということは分かっていた。 新人として入社してから周りはITに詳しい奴らばかり。 俺にはITの知識で勝負することはできない。 だから周りの奴らを使い成果を出して出世してやる、早坂はそ…

パラレルストーリー 11話(伊藤香織)

会社を出て家へ帰るところだった。 彼と付き合い始め、香織は最近はとても幸せな日々を過ごしていた。 信号待ちの交差点、風の香りに誘われてふと顔を上げた。 すると、コーヒーショップの2階に新一が座っていた。 最近も仕事が忙しく帰りが遅いって言ってた…

パラレルストーリー 10話(吉田勇樹)

布団から出ることができない。 仕事に行けなくなってから1ヶ月が過ぎた。 夜11時、吉田はなんとか起き上がり、カップラーメンを食べるため、お湯を沸かそうとした。 1ヶ月前、吉田は朝起きれなくなった。 翌日病院へ行くとうつ病と診断された。 吉田のプロジ…

パラレルストーリー 9話(加藤哲也)

問題が起きた。 中国企業との合同プロジェクトで、大赤字となったのだ。 システム開発は、プロジェクト開始前に金額を見積り取引企業と合意する。 今回のシステム開発にかかった費用がその見積りを大きく超えてしまった。 加藤は社長に呼び出され、子会社へ…

パラレルストーリー 8話(伊藤香織)

最近、元気がない。 私と一緒にいてもつまらないのではないか、と考えていた。 香織は遠回しに聞いてみることにした。 「新一、元気ないね。何かあったの?」 新一は語ってくれた。 仕事がとても忙しいこと、香織を気遣って仕事の話は避けてくれてたこと。 …

パラレルストーリー 7話(吉田勇樹)

忙しい日々は終わらない。 吉田は毎日遅くまで仕事をしていた。 最近は朝も起きれなくなってきている。 こないだ起きれずに寝坊してしまった時は、早坂部長にかなり怒られてしまったが、津田課長がフォローしてくれた。 途中で退室したが、その後も早坂部長…

パラレルストーリー 6話(加藤哲也)

部長に昇進して2年経った今年、加藤は本部長へ昇進した。 また、加藤は部署に貢献してきた津田を主任に昇進させることにした。 今までいくつもの苦しいプロジェクトのメンバーに指名し、毎月休みもないほど働き成果を出してきた。 また、忙しい中でも津田と…

パラレルストーリー 5話(伊藤香織)

今日は彼と3回目のデートだった。 彼とはまだ付き合っていない。 香織は新一とよく合うようになっていた。 初めは二人とも人見知りなので心配だったが、二人だとなぜか話しやすく、気が合った。 今日は海までドライブに行き、夜の海岸を二人で歩いた。 とて…

パラレルストーリー 4話(吉田勇樹)

今年も新入社員が入ってきた。 また後輩が増える。 吉田勇樹(よしだゆうき)は、入社してイノベーション事業部に配属されてから3年目になる。 この事業部は忙しい時期がずっと続いている。 帰りも日をまたぐことも多い。 システム開発は、繁忙期には泊りが…

パラレルストーリー 3話(加藤哲也)

今年、イノベーション事業部の部長に就任した。 元々企業事業部で仕事をしていたが、そこでの仕事改革が認められ、別部門の部長に昇進することになった。 イノベーション事業部では、社会を便利にするために、色々なコンピュータシステムを開発する。 この事…

パラレルストーリー 2話(伊藤香織)

「いらっしゃいませ」 明るい店舗で接客をしている。 化粧品会社に務める伊藤香織(いとうかおり)は今年で25歳。そろそろ結婚を考えている。 時間は17:30を回っていた。 「お先失礼します」 香織は、仕事が終わるとすぐに会社を後にした。 今日は大学の同級…